バネ海老
今では口達者な長女ですが、しゃべり始めの頃は口がうまく動かせなくてとてもかわいかったのを覚えています。
語順を逆にする傾向があり、なぜかチョコをコチョと。
このコチョという言葉があまりにもかわいかったので、私はしばらく訂正しなかったほどです。
妻と話してやっぱり訂正したほうが良いだろうという結論になりましたが、あれが聞けないと思うととても寂しい気持ちになったことを覚えています。
ちなみに、バナナもババナと言っていた時期があります。
おそらく、バァバ(ばあちゃん)からの派生でしょう。頭のバを少し伸ばすような感じで、ババナと言っていました。
おやつの時間に「コチョババナ食べたい」なんて言うもんですから、悶絶しちゃいますよね。
そんなある日、長女が私に近づいてきて、バネ海老がどうとかいう話を一生懸命してくれました。
バネ海老が何か全く分からず、きっと海老の仲間だろうと思って、「こんど水族館に行こうね」と約束をしたのですが、どうやら違うみたい。
身振り手振りで一生懸命説明してくれるのをよく聞くと、どうやら海にいる生き物ではない様子。
もう少し話をしてみると、海老ではなく、バネービに近いことがわかりました。
だけど今度はバネービがわからない。
新しいアニメの悪役の名前でもないし、料理の名前でもなさそう。アメーバみたいな微生物のことかと思ったんですが、それも違いそう。
1文字置き換えたり、入れ替えたり。考えられそうな同じアクセントの単語をGoogleで検索しまくったところ、やっと1つの答えが得られました。
彼女が伝えたかったのは『バネ指』。それだからしきりに指を動かしていたのか。
バネ指なんて初めてききました。病院にもいったらしく、無理やり手を開かせたり強く手を握るのは控えてねと釘をさされました。
子供でもたまに発症するみたいなので、手を痛そうにしていたら少し気にしてあげてくださいね。