戸締りよーし

日々低空飛行でも気にしない。できることからやっていきます。

いよいよ分娩室へ。その時夫は・・・。。。

夫から見て妻の出産はどんな感じでどんなことを考えていたか忘れないうちに書き留めておこうと思います。

 

こんなことを言っちゃなんなんですが、夫から見た出産立ち合いは、死ぬ思いで妻が頑張っているのをただただ、眺めているだけなんですよね。

 

 

①陣痛室にて

 

当たり前ですが、夫に陣痛はありません。つまり、痛くもかゆくもなんともないので、妻と一緒に陣痛室に行っても、特に何かすることはありません。

 

陣痛室に入ると、すぐに看護師さんがおなかにベルトのようなものを巻いてくれるので、赤ちゃんの心音がドクドクと聞こえるようになります。

 

私の場合は、毎度相部屋だったので、隣の人の赤ちゃんの心音ももちろん聞こえてきます。赤ちゃん達の心臓の鼓動は力強く、いのちの躍動感を感じることができます。

 

カーテンがかかっているので、隣の人の様子は伺えませんが、とても苦しそうな人、まだまだ余裕の人と妊婦さんによってさまざまです。

 

このとき、あまりの痛さにもどしちゃったり、もらしちゃったりする人が結構います。また初産の方は特に「絶対無理」とか「え?これ以上痛くなるの?」という絶望に打ちひしがれた声を何度か聞きます。

 

実の母親を罵倒する人や、夫と思わしき人にひどく暴言を吐く人もいらっしゃいます。そんな阿鼻叫喚を聞きながら、妻の体をさすったり、話しかけたりします。

 

ですが、ほとんどの時間は、機械から出力される赤ちゃんの心音や子宮の収縮具合を表すグラフをただひたすらに見つめます。

 

できることなら、それぞれの妊婦さんの年齢や出産回数、出産予定日などを確認して、グラフを見比べていろいろと分析・考察をしてみたいのですが、そんなことはできません。

 

妻や周りの妊婦さんの怒りを買わないように、ただ空気のように存在するように心がけます。

 

 

②分娩室にて

 

ここまでくると、さすがに私も緊張してきます。緊張してそわそわするのですが、やっぱり何もすることはありません。

 

お医者さんが登場し、看護師さんがいそいそと動き回るので、自分の居場所を探すのが大変です。

 

この時、看護師さんに「もし、気分がわるくなったらここに座ってください」と椅子を勧められます。

 

私は、血を見ても気分が悪くなることはなく、むしろ頭が出てくるところを直接見たい派なのですが、「ぜんぜん平気です!」とか「出てくるところを直接見せてくれ!」と、がっつくのもアレなので、自重します。

 

「た、たぶん大丈夫だと思います」と無難な回答をしてその場を切り抜けます。

 

子供が生まれるところを直接見せてくれないのは、そのあと思い出して息子が元気にならなくなることがあるらしいです。(つまりヤルときに立たなくなると)

あとは、単純に処置の邪魔になるからでしょうね。

 

子供が生まれてきて、オギャーと泣いたらとりあえず一安心。

(※泣くまでは数分だと思いますが、ものすごく長い印象があります)

 

妻はすぐに赤ちゃんを抱っこして「かわいー」と幸せそうですが、夫としては母子ともに無事でほっとする思いのほうが強いです。

 

また、生まれたての赤ちゃんがかわいいかと言われると、私はそうでもなかったです。特に初めて取り上げられたばかりの我が子を見たときは衝撃的でした。

 

チアノーゼで体中むらさき色に変色し、顔はしわくちゃ。重力に慣れないのか、手足をぎこちなくバタバタさせて、焦点の定まらない目をうっすらと開けて泣く。

 

ひどいとは思うのですが、「え・・・これが赤ちゃん?」と疑ってしまうくらい奇妙な生き物に思えました。

 

 

③産後

 

出産当日は、母親の体力回復のためにそっとしておきます。私も徹夜で付き添っているので、とりあえず帰って寝ます。

 

2日目以降も、夫は何もすることがなく、せいぜい着替えを持ってきて、持って帰るくらい。

 

妻の睡眠時間確保のため、子供にミルクを与えることもありますが、妻のペースがつかめるまで極力手を出さないようにしています。

 

院内を歩くと、すっぴんでパジャマ姿の若い女性がうろうろしているので、ちょっとドキドキします。

 

ノーガードの女性を見る機会はめったにありませんので、もっとじろじろ見たいのですが、もちろん自重し、うつむき加減で歩くようにしています。

 

点滴を引きずるように歩いてナースセンターへ向かい、我が子に会いにいく母親をみると、「相当つらかったんだね。よく頑張ったね」と伝えたくなりますが、もちろん自重。

 

このころ、お見舞いに来た妊婦の母親(=おばあちゃん)とお話する機会があります。皆さん、例外なく「自分が産むほうが楽だわ」とおっしゃいます。

 

病院にいるのはせいぜい1時間くらい。あとは自宅でいつもと変わらない生活をします。

 

赤ちゃんを迎える準備をすればいいのでしょうが、妻のやりたいようにする必要があるので、頼まれるまでは特に何もしません。

 

 

毎回こんな感じで、陣痛室⇒分娩室⇒退院まで特にすることはありません。

 

だからといってスマホをポチポチするのはダメですし、酒を飲むわけにもいかない。

ただただ、苦しむ妻を眺めるばかり。

 

子育てのほうが長く大変な上、面白いのでついついそちら中心になりがちですが、我が子誕生の瞬間、私はこんな気持ちで過ごしていたのだと、書き残しておきます。

 

 

【ベビーから大人まで使えるイス】 Teddy Hug (テディ ハグ)

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